茶杓作り体験

木曜日, 6月 16, 2016

お稽古場の先生や社中の皆さんといっしょに、茶杓作り体験に行ってきました。

実は10年ほど前に一度、奈良の高山で茶杓作りをしたことがあったのですが、すっかり忘れてしまっていた(!)ので、新鮮な気持ちで参加することができました。

今回教えていただいたのは、京都市内の竹材店。いろんな種類の竹がずらっと並んだ倉庫の一角に教室が設けられていました。

茶杓作りの前に、まずは竹についてのお話から。

竹は加工がしやすく、古くからいろんな用途に使われてきたとのこと。確かに、お茶の世界でも、茶杓を始め、茶筅、蓋置、花入、薄器、茶室の木舞など、いろんなところに竹が使われています。

そして、生長が早いのも竹の特徴のひとつで、2~3ヶ月であっという間に伸びるそう。しかも、全長が25メートルくらいになるとのこと!大きくなるとは思ってましたけど、小学校のプールぐらい長い、いや高いってことか…おお、すごい。

まさに、かぐや姫が竹から生まれて成長して月に帰っていくのと同じスピードで大きくなるとのこと。あのかぐや姫の成長の早さが竹とリンクしてるのですね。

しかし、そんなに高くまっすぐに伸びる竹を見て、あの当時の人たちが本当に月に届きそうだと思っても不思議じゃない気が…って、ちょっとロマンティックすぎますか?

そして、京銘竹と呼ばれる白竹(真竹)、胡麻竹、図面角竹、亀甲竹を実際に見せてもらいながら、どうやって銘竹ができるのかを教えていただきました。

左から胡麻竹、図面角竹、亀甲竹

他の竹は見たことがあったのですが、図面角竹を見たのは初めて。竹を箱で囲んで育てるそうですが、本当に四角くてびっくり。

いろんな種類がある竹ですが、茶杓に使うのは基本的に真竹とのこと。そして、茶杓を作るのにちょうどいい竹の太さや共筒について、美しい茶褐色の煤竹(囲炉裏の天井や茅葺屋根の支えとして数百年燻された竹)で説明してくださいました。

あと、茶杓のポイントでびっくりしたのが「樋(竹の溝)があること」。お稽古用に販売されているお手頃な価格の茶杓には樋がないことが多いです、と言われて、ああああ、確かに!と納得。樋の深さ、形、量なども茶杓の表情になるわけですね。

さて、お話が一段落したところで、いざ、茶杓作りに挑戦です。
すでに2cmほど櫂先(お茶をすくう部分)が曲げてある竹が、ひとりずつに用意されていました。

まず、樋の一番深い部分を茶杓の真ん中に決めて、どういう茶杓にするかを竹の表面に鉛筆で書き込んでいきます。この書き込み、自分のイメージする茶杓を浮かび上がらせる感じで、かなり楽しかったです(一番楽しかったかも…)。


そして、その書き込みに基づいて、竹の両側を小刀で削っていきます。ふだんカッターもほとんど使わない、ましてや小刀なんてさわることすらないので、とにかく指をケガしないようにだけ注意して。

教えていただいたように、脇を締めて、しっかりと茶杓を持って…って、全然うまく削れません!表面が少し削れて粉が出るだけかと思えば、今度は小刀がグッと入りすぎて身を大きく削ってしまったり。あわわ。

それでも、せっせと小刀で削り、「ま、だいたいできたかな」と思っていたところに、ふだん使っている茶杓を見せてもらったら…。


ぜ、全然違う!細い!見本の茶杓が細めのものとはいえ、うわー、細いー。

せっせせっせと茶杓の両側がだいたい削れたら、次に露(茶杓の先端)の部分を削っていきます。ここもいろんな形があるのですが、シンプルに丸形にしてみました。説明していただいたように削っているのですが、なかなかきれいな丸にはならず。本当にむずかしい。

そして、茶杓の裏側を少しだけ削った後、耐水性の紙やすりで茶杓の裏側を磨いて仕上げていきます。


せっかくやすりで磨いたのにまた気になって削って、ああでもないこうでもないとくり返しているうちに、身が薄っぺらくなってしまいました。

後でお聞きしたところ、櫂先は帛紗がひっかからないように磨くのが大切とのこと。なるほど。私の茶杓はカクカクしてて、確実にひっかかりそうな感じでした…。

最後に切り止めをして完成。切り止めをしたら、もう茶杓を削ることもやすりをかけることもできません。
教えてくださった竹材店のご主人が「切り止めは儀式のようなもの」とおっしゃっていました。

完成です

うーん、野暮ったい…。

お稽古で毎週のように茶杓をさわっているのですが、実際に自分で作ることになってみて、あれ、ここってどうなってたっけ?とわからないことだらけ。見本の茶杓をおもてから裏から横から斜めから、まじまじと観察してみて、なるほどこうなってたんだとあらためて気づきました。
樋があるとかないとか、細さとか櫂先から節、節から切止までのラインとか、裏側の意外にぽってりとした厚みとか…。

これから茶会や展覧会などで茶杓を拝見するときに、もう少し違った見方ができるといいなと思います。

あと、みなさんの作品を見ると、それぞれ個性が出ていておもしろかったです。特に、ものづくりに携わるお仕事をしている方の茶杓は、やっぱり完成度が違いますね。ふだんから意識してものを見て作っていらっしゃるからかなあ。

体験教室が終わった後、講師をしてくださったご主人に、倉庫にある竹をいろいろと紹介していただきました。

竹もよく見てみると、孟宗竹と真竹では色や艶が違うとのこと。おー、確かに、真竹のほうがつやっとしてるし、色白さんですね。

そして、これが竹の根っこ。

小さい!

まっすぐに伸びる竹は、その高さの割に根っこが小さくて、1本だけでは立っていられずお互いが地下茎でつながり、地上で支えあって立っているのだそう。人間にもつながる話ですね、とおっしゃっていました。

奥が深い、竹の世界です。

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