お稽古を始めたきっかけ、そしてお稽古を続けること

水曜日, 6月 01, 2016

この間、真之行台子のお稽古をさせていただきながら、ふと、まさか、習い始めたあの頃、こんなに長く続けられるとは思っていなかったなあと、しみじみしてしまいました。

茶の湯とか茶道とかって聞くと、格式張ってて、ずーっと正座で足が痛くて、怖い先生がいて…とそんなイメージをもたれる方も多いのかもしれません(そして、確かにそういうところもなきにしもあらずですが…)。

でも、「習い始めてみると、案外楽しいんですよー!」と声を大にして言いたいです。

そもそも私がお茶のお稽古を始めたきっかけは、大学生のときに仲の良い友だちが「お茶を習い始めた。和菓子おいしいし、けっこう楽しい。」と教えてくれたこと。それなら私もやってみようかなあと、知り合いの方にお稽古場を紹介してもらい、とっても気軽な気持ちで習い始めました。

今から思うと、なぜ、友だちが習い始めたお稽古場にいっしょに行かなかったのかよくわかりません。その友だちは京都を離れるときにお稽古を辞めてしまったので、結局、私のほうがずいぶん長くお稽古を続けています。

おいしい和菓子が食べられる、という何ともまあ不純な動機で始めたわけですが、実際においしかったですし、和菓子にこんなにたくさん種類や意匠があるなんて知らなかったので、毎回新鮮な驚きがありました。もちろん、今でも、おいしいお菓子がお稽古での楽しみのひとつです。

「お茶は総合芸術」と言われるだけあって、書、絵、禅語、和歌、能、花、香、やきもの、漆、茶室、歴史、季節、趣向、料理、着物などなど数え上げたらキリがないくらい、本当にいろんな要素から成り立っています。何かひとつ、ちょっとでも気になるものがあれば、それをきっかけにして、ぜひお茶に興味を持っていただけたらなあと思います。

ところで、肝心のお稽古は?というと、割り稽古から、盆略、そして平点前と進んでいくにつれて、とにかく点前の流れや型を覚えるので精いっぱい!でも、お稽古に通ううちに、少しずつお点前が間違えずにできるようになって、それがまたうれしくてがんばって覚えるのくり返しでした。

でも、お稽古に通い始めてしばらく経ったころ、自分ではなんとなくお点前ができるようになった(いや、全然できていなかったんですけど)と、ちょっと飽きてしまったことがありました。

そんなとき、先生から「お点前ができるようになる、流れがわかってお客の動きができるようになる、というのは、いわばお茶の最低限のルールを理解したということ。ここからまた、新しくお茶と向き合うスタートになる。」と言われて、目からウロコが落ちました。

そっか、私、まだ、スタートラインに立ったところだったんだ…。

その後、本を読んだり、展覧会を見に行ったり、お茶会に行ったり、稽古茶事をしたり、おもてなしを受けたり、お茶とは全然関係のない話を読んだり聞いたり、さまざまなことが自分の中で有機的につながって。そして、ふと立ち止まってみたら、足元から先に広がっているお茶の世界がなんと広くて深いのかと、驚きを越えて、ちょっと怖さすら覚えました。

どんなものが好きなのか、何を美しいと思うのか、どういうお茶がしたいのか…。

しかも、お茶には「相手」がいます。間合い、呼吸、タイミング。おいしいお茶を飲んでもらって、楽しいひとときを過ごす。ひとりよがりではお茶とは言えません。ここが一番むずかしくて楽しいところかもしれません。

自分なりのお茶をしたいと、お稽古を重ねて、ぐるぐると回り道して、試行錯誤をくり返して、これからもまだまだ続けられそうです。


お茶を始めてから、道端に咲く花にも目が向くようになりました。

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